Fallout 3 ( Xbox360 )

Rating : 9 / 10

 

Fallout: New Vegas – 面白さを信じて

だいぶ前の記事になるのだが‥‥と思ったら現在進行形かよ!

 

じゃあモクも。

 

結論から書く。

 

Fallout 3 の評価が高い? 高評価を出してる所のレビューをよく読んでいただきたい。本当に面白いと感じた人は具体的に何が面白かったか書いてある。具体性のない評価は周囲が褒めている風潮に乗っかっているだけだから勘定に入れない。具体的に何が面白いのか書いてある所が見つかりましたか? 見つかりませんか。そのような現象を「過大評価」と、このように申します。

 

これで終われば良いのだが、私は Fallout 3 を200時間ほどプレイして、面白かったと感じた部類に属する。上記サイトで疑問として提示されている部分についてカウンターを当てる形から入る。

 

・V.A.T.S. の魅力とは何か

ヘタクソ対策である。

私のようにマウス&キーボード環境でもロクにエイミングできない奴は、ゲームを一時中断して、狙うべき所を選んで、そこに攻撃を当てる、という行為そのものが爽快感となる。本作は FPS 風にデザインされているので、V.A.T.S. により自分が凄腕のゲームプレイヤーだと錯覚することができる。例えそれが偽物の虚構だとしても、である。「狙った場所に弾を撃ち込めない」奴が「狙った場所に弾を撃ち込める」のだから面白い。時間を止める部分はチート臭さが漂うが、これはプレイヤーのゲームモラルに依るだろう。私はマルチプレイやスコアアタックなどでのアンフェアなチート行為は反対だが、スタンドアローンで完結するシングルプレイならいくらチートを使ってもいいと思っている。ましてやシステムに組み込まれているならフルに活用してやるべきである。

ちなみに私はゲームの腕を上達させる楽しみも知っている。が、指先の感覚が FPS には向いていないらしい。3D シューターというジャンルにも思い入れもない。

 

では思い入れのあるジャンル、例えばリッジレーサーで V.A.T.S. のようなシステムが導入されたらどう思うかをシミュレートしてみる。プレイヤーはゲーム中に時間を止めて、コーナー直前で進むべき進路をあらかじめ決めることができる。失敗率はあるものの、ほとんどゼロに近い数値まで落とすことができるとする。オーケー。そのシステムにゲームプレイを延長させるだけの何かがあるなら自分も使うまでだ。では何もない、無駄なだけな場合。使わない。その結果、余計な部分に力を入れたおかげでレースゲームとしての魅力が落ちてしまったとする。ならばそのゲームはスルーする。

 

以上のシミュレートは上記サイトにおける別エントリの「Fallout3: もう一度チャレンジ」の以下の部分から私が勝手に推測したものである。

「このゲームのシューティング要素はつまらない。武器の種類は結構あるのだけど、弾が敵に当たっている感じが全くない。敵の体力ゲージを常に見ながら撃たないと当たっているか分からない。さらに、銃が弱い。バットで殴った方が強いことが良くある。これは銃が好きな私にはあまり合わない部分。」

これをレースゲームに置き換えると、以下のようになると思う。

「このゲームのレース要素はつまらない。(コースに)コーナーの種類は結構あるのだけど、スピード感が全くない。(エンジン音がいいかげんなので)タコメーターを常に見ながら走らないとシフトチェンジのタイミングが分からない。さらに、ドリフトが全く使えない。コーナーで壁にこすりつけながら走った方が速いことが良くある。これはドリフトが好きな私にはあまり合わない部分。」

こういうレースゲームには世間様の評判とは関係なく0点を差し上げる。そして「ああまた祭りですねビッグタイトルですからねはいはい」で終了である。

※ただし「コーナーで壁にこすりつけながら走った方が速い」トンチンカンなレースゲームは過去にあって(ちなみに開発は DICE だ)、こういう場合は何も考えずに壁にこすりつけて走るのみである。この部分はちょっといい例えが思い浮かばなかった。

 

本作は FPS 風の RPG なので、シューターから見たら失格ゲームであろう。が、私は最初から RPG だと思ってプレイしたので、「まあこんなもんか」で済んだ。逆に Mass Effect は RPG を期待して購入したのだが、シューター寄りで、かつ V.A.T.S. のようなシステムがないのでキツい。難易度を最も簡単なレベルに落としているのだが、キツい。物陰に隠れる → 身を乗り出して敵を狙う → 外れる → お返しにダメージをいただく → シールドが回復するまでまた隠れる、の負のスパイラルに陥ることがよくある。

 

・ゲーム序盤のどこが面白いか

面白くない。

これは Fallout 3 だけでなく、TES チームが抱える問題の一つである(Skyrim ではかなり改善されたが)。実は Oblivion もゲーム最初のチュートリアルは死ぬほど退屈な上にダラダラ、グダグダの極みである。これを乗り越えることができたのは、まず Fallout 3 の場合は Oblivion の開発チームだという事を知っており「この序盤の退屈さはこのチームのクセか」と納得できたからである。Oblivion は日本語版発売に至る経緯(当初は予定されていなかったが、ユーザーの要望を受ける形で日本語版発売に至る)を知っていた上にほとんど定価で買ったようなもので、かつ、詰みゲームもなかったので、我慢してプレイすることができた。ユーザーの生の声に直接応える形で日本語化されるゲームは滅多にないので、よほど面白いのだろう、そのうち面白くなるのだろう、と思いながら序盤を抜けたら面白くなった。他にプレイするべきゲームが山ほどあったなら、早々に投げていた可能性もある。

 

少々捕捉するならば、チュートリアルの適正試験の解答が極端なのは、ブラックユーモアだからだと思われる。「ここは笑う所です」という具合だ。ギャラクターの感情が冷淡と感じるのは、プレイヤーの解答が極端から極端である為、以前の行動と帳尻を合わせる為のトリックを見破ってしまったからだろう。例えば主人公が誕生日を迎える日に、幼なじみの女の子との会話が発生する。彼女に対して主人公が取れる反応は「ありがとう、すごく嬉しい!」から「はっきり言って迷惑なんだけど」まで、極端から極端だったと記憶している。ここでいちいちフラグを立ててその後の反応を変える手間を開発者は省いた。Mass Effect も同じような感じだが、やはり「どんな態度を取ってもあまり違和感のない返答」のシーンが多数見受けられて不自然に感じたので(例えば主人公が自分の船を入手するシーンで上司の大佐か誰かと会話するシーンは「オマエ、人のゆう事聞いたか、聞いたんか!」とツッコミを入れたものだ)、この手のゲームの宿命だろう。が、これは Mass Effect の方が一枚上手のようだ。

 

・結局、どこが面白いか

いわゆる「探索」に200時間を費やしたと言える。

主人公の容姿を決めるシーンは、これはもう絵心がないと無理だと Oblivion で悟ったのでプリセットから選んで即決。

最初にポーズメニューを開ける状態になった時点で難易度を Very Easy に変更。理由は戦闘がかったるい。Wiki 等の攻略情報は極力見ない。ひとまずねぐらを探す。間もなくメガトンの自宅を手に入れることに成功する。コンシューマーの日本語版は Nuke チェックでメガトンをヒロシマナガサキできないので、ある意味究極の選択を迫られる英語版と異なり、すんなり自宅を入手できる。

自宅を入手したら、そこを拠点にあちこち歩き回ってファストトラベルできる場所を探していく。探していく過程でクエストを受けることもある。その場でこなせそうなクエストはこなす。こなせなかったらとりあえず放置。メインクエストはもちろん放置である。廃墟やダンジョンに入ったら、中を歩き回って小ネタを探して歩く(ターミナルとかに小ネタが結構あるのだ。例えば「トイレでクソしたにも関わらず水を流さない奴がいる事が分かった。以後はトイレの個室の入口にチェッカーをつけて、誰がいつ使用したか記録する」とかいうバカなネタとか)。ファストトラベルできないポイントにも興味深いポイントがあったりする。ついでに弾薬や金も漁る。探索である。

探索に飽きてきたらメインクエストを進める。

ちょっと進めたらまた探索に戻る。難易度 Very Easy なので敵は弱い。サクサク進む。

ジャーナルを確認して、放置していたクエストを片付けてみる。

バット(釘バットではない)で健気に殴りかかってくるレイダーをアサルトライフルで冷静に対処する自分に酔う。

そうこうしてメインクエストも終わり、実績もほとんど解除したあたりから Wiki を見て、取りこぼしたコンテンツを楽しむ。

クエストのストーリー性は最初から期待していない。と言うか、そもそもこうしたオープンワールドのゲームでシナリオに期待するのは間違いだと思っている。プレイヤーがどのクエストから手をつけるか分からない以上、込み入ったストーリーを作るのは無理だし、本作ではクエストラインが1本しかない。シナリオやストーリーを楽しみたいのであれば、一本道のゲームを選ぶ。ここでエロゲと言っても怒らないでいただきたい。エロゲを引き合いに出されたくない向きには Bioshock などでもいい(どうでもいいが、Oblivion などはギルドクエストがよく頑張っている。Skyrim では悪人クエスト、特に暗殺ギルドが気合い入りまくりである。それに比べて善人プレイの何と淡泊な事か。待てコラ)。

結局、何も考えずにマップを埋めていく作業が楽しかったのだと思う。OblivionSkyrim でも私のアプローチは同じである。難易度 Very Easy。クエスト放置。ファストトラベルのポイント探しにダンジョン探索、趣味は追いはぎから追いはぎすることです。

 

私はオープンワールドものをあまりプレイしない。セインツ・ロウ2は安売りセール中に買ったが積んでいる。GTA4 はそもそもプレスの評価があまりに高すぎて地雷臭がするので手を出していない。オープンワールド系で好きな事は、自分のペースでフラフラ無目的にあっちこっち歩き回って地図を埋め、アイテムを収集する所らしい。仮にアクション部分のバランスが秀逸だとする。私の中ではマイナス要素である。余計な所で人のペースを乱すなよ。立ち止まらせるな、歩かせろ。TES チームはこの辺りのさじ加減が得意なのではないかと思っている。比較対象として他のチームが開発したゲームをプレイしていないので、断言はできないが。