ソーシャルゲーム・阿修羅

 ソーシャルゲームを単に「集金装置」としてディスるのは簡単ですし、艦これの運営は確かにイカれてますし、巷でゲームと名のつくコンテンツが有象無象ゴチャゴチャしていれば優先順位の関係からゲーム性皆無として無視するのも仕方ないんですが、実際に片足突っ込んでみると以上のような小難しい理屈の類いはどうでも良くなってくるのであります。

 

 私がフォローしているユーザー層、まあだいたい Twitter でフォローしていて向こうから情報を流して(つぶやいて)くれる人というのはPS3や箱ユーザー・音ゲー地獄変・エロゲ積み・インディーデベロッパーを守備範囲に抱えている業界人、あたりが主なんですが、艦これを例外としてソシャゲーの話題がほとんど聞こえず、自分で探して自分でプレイして自分で情報集めて自分で判断するしかなかったので、まあこの辺りで中間報告的なものでも。

 

 

・はじまり

 

 Hotline Miami というゲームが各方面から絶賛されました。今は日本語版も出てますが、当時は英語版しかございません。一体これの何が面白いのか。暴力ゲームなら嫌になるほど出てるでしょ。Steam のセールを狙って買ってみたんですが最近流行の「レトロ(笑)」風味で一発死の高難易度ゲーに過ぎないというのが第一印象でありました。何が違うんですかこれ。

 

 と思っていたら、Hotline Miami を語る Hotline Tokyo という企画を知りました。早速 Ustream で見たら、やっぱり意味不明なんですが、セラミックロケッツ!という blog がよく引き合いに出されている。さっそく読みに行きました。そうしたら当時最新の記事で「艦これ」というソシャゲについて熱く語っておられる。じゃあ試しに、とアカウントを取得してプレイしてみたのがきっかけです。艦これの第一印象は「うーん‥‥」でした。その後に私がどのような運命を辿るかについては余力があれば書きますし、Twitter を見れば一目瞭然かと思います。

 

 

・ガチャゲ

 

 ただ、この時点では「艦これはどうもソシャゲーとして例外らしい」という印象のまま艦これをプレイするに過ぎませんでした。転機となったのは 4Gamer の年末企画、大勢のゲームクリエイターにアンケートするというやつがカラドリウス公式から流れてきたのを読んだ時で、ここでよく名前に上がっていたのがチェイン・クロニクルです。手元に iPad があったので試しにやってみました。当時私が抱えていたソシャゲのイメージ、すなわち「ガチャを引かせるために金払えと煽りまくる」「行動ポイントを制限してもっと遊びたければ金払えと煽りまくる」「シナリオ重視とか叩き文句に使ってるが結局はありきたりな世界滅ぼし軍 VS 正義のボクら」なんかとほぼ合致する内容でした(今では若干評価が変わってきています)。ただ、艦これでひたすら祈るお仕事を続けるのも疲れてきていたので、戦闘に介入できる本作はそれと勝手が違い、また何の機会かは忘れましたがレアカードを引いたので辞めるのも勿体ないと思い、何となくズルズル続けていくことになります。

 

 と同時に、ゲームバランスもクソもなくレア度の高いキャラほど容赦なく強い仕様にソシャゲーという言葉を使うことにも違和感を覚えるようになりました。そこでガチャゲーという言葉を使うようになりました。確か問題になってましたよね、ガチャゲー。

 

 

・パズドラ

 

 この時点で、ソシャゲの本命であるパズドラはかなり前にプレイ済みだったりしています。でもって惰性で続けていたものの、要するにひたすらカードを合成・進化させて有料ガチャを引いてパズルを回すだけだと感じたので、思い切って削除したのかなり前だったりしています。たいへんスッキリしました。自分のサイトからアクセスカウンタを取り払った時や、アクセス解析を切った時のような開放感を得ました。ただ、いかんせんパズドラは「流行のゲーム」としてプレイしたに過ぎず、「ソシャゲ」としてプレイしていなかったので、比較対象には入らないのでございます。

 

 

・アンインストール

 

 さて、どうこうしている間に Cave がドンパッチンでソシャゲに参入しました。Cave なので一応はプレイせねばなりますまい。やってみたところ、Caveが悪いのかプラットフォームのモバゲーが悪いのか分かりませんが、パズドラの魔法石・チェインの精霊石に該当するゲーム内統一通貨というものが存在しない。要するに、レアガチャを回すにはゲーム内でたった数枚もらえるかもらえないかのプレミアムチケットを使うか、ゲンナマを支払ってガチャを回さなければならない。ゲームバランスそのものは無課金でも最後まで行ける的な情報が Wiki に書いてあったのですが、1ゲーム開始するごとに出てくるフレンドやゲストの中に居るんですよ、最上級レア = SSR 持ってる奴が。当然ながらバランスブレイカー級に強く、ちまちまレアを育てている自分がバカらしくなるわけですね。チェインの場合はゲーム内でそれなりにもらえる精霊石でレアガチャを回したり、あるいは期間限定イベントをそこそここなすと SSR がもらえたりと、課金勢と無課金勢の境界線を曖昧にする努力はされているのですが、当時のドンパッチンはそのような措置がなかったのか、あるいは私の知識不足で「とっくに SSR イベントを突破できるレベルなのに律儀にノーマルクエストばかりやっていた」からなのか、とにかく SSR カードを入手するチャンスはないと判断しました。トドメになったのが怒首領蜂最大往生カードが有料ガチャ限定で登場した時です。もはや Cave は無課金者など眼中にないのか。Cave のファンなら金を払って然るべきと思っているのか。アンインストールしました。ああ、スッキリした。

 

 それと同じ頃、いくつかソシャゲーと言うかガチャゲーと言うか、まあ基本無料の F2P ゲームに手を出しておりました。例えばリッジレーサーを作っているバンナムが出したドリフトスピリッツもやってみました。ギャグでやってるのか、それとも萌えブタ共の文化が外部から見るとギャグに見えるのと同じように走り屋にもこのような世界があって外部から見るとギャグにしか見えないのか、とにかくも頓狂な世界観は新鮮さよりもむしろ私はこの世界にふさわしくない感が強く、たまたま開催していたイベントで SSR カードを拾ったのでしばらく続けたのですが、結局はゲーム内でコインを貯めて、ガチャでカードを引いてコインを消費してパーツを合成して、イベントも中盤から先は有料アイテムの消耗戦になって‥‥という感じだったので、アンインストールしました。ああ、スッキリした。

 

 

・コアゲーム疲れ

 

 iPad というのは PC よりもパーソナルなガジェットで、「この俺の端末」度が高いわけです。スマホみたいに。つまりどんなアプリをインストールしても、プレイしている場面さえ見られなければ周囲にバレる心配はなく、したがってどんなに恥ずかしいアプリをインストールしてもいい訳です。そこで App Store のランキング等から基本無料の萌えゲームは他にどんな感じなのかしらん、と漁りはじめました。

 

 ところで何でそんな行為に走ったのでしょう。たぶんコアゲームに疲れたのです。コアゲームというのは要するに、途切れのない怒濤の展開・緻密な操作・重厚なグラフィックとサウンド、等の、まあ要するに疲れるんですよ。Skyrim を 300 時間ほどプレイして、Cave シューティングコレクションを買って、Bioshock Infinite をクリアして、iPad でも探しているのは「小ぶりだがやりがいのあるゲーム」でした。艦これを「うーん‥‥」と思いながらも続けたのは、この辺の面倒臭さが一切なく、とりあえず画面をポチポチしていればゲームが進むという部分がラクだったからです。

 

 

・アメーバ

 

 で、あれこれ漁っていた時に見つけたのが「ウチの姫さまがいちばんカワイイ」でした。絵もそこそこ綺麗だったので深く考えずにインストールしてみたところ、モバゲーと同じようなプラットフォームだか何だか知りませんがアメーバというサービスの一部らしい。で、どうもアメーバ内のゲームで条件を満たすと魔法石(正しくは違いますがもう使い方とか同じなので魔法石でいいです)をもらえるらしい。

 

 かくして状況はウチ姫のためにアメーバの別ゲームをプレイするという何だかよく分からない事になります。その直後に状況が悪化しました。毎日特定の条件を満たすともらえるスタンプがゲーム内アイテムやアメーバの有料統一通貨「コイン」と交換できる事が発覚。艦これもいいかげん進捗して、1週間分の資源を1回の建設で溶かして大和が出ることを祈るのみという事態になっていましたので、艦これのデイリー任務に充てる時間はアメーバのスタンプ集めというデイリーにすり替わりました。

 

 アメーバで提供しているゲームの大半はスマートフォン上のブラウザで動作するものであり、数タイトルのパズルゲームを除き、もうシステムも何もかも全部同じで違うのはグラフィックのみ、と言い切ってしまってよろしいでしょう。そもそもクエストとされている行動が何かって、行動ボタンを押すだけ。押したら体力が減って経験値が入る。そこまで簡略化しますかという所まで簡略化して、注力するべきなのはカード収集。それから常に何かしらのイベントが開催されていますので、ポイントを稼いでランキング報酬である期間限定レアカードをゲットする。要するにカード収集と、ランキング上位というゲーム内でのみ通じる階級制度の満足感。もう何が何だか。

 

 ではそれが全く楽しくないかと言えばそんな事はなく、例えば戦国サーガで徳川家康と命名されたカードを引いたら Sunn O))) がやらかすカバー曲の方がまだ原型保ってるんじゃねぇのコレと言いたくなるようなイラストが出てきて盛大に吹いたり、モグのルール縛り派とノールール派の熾烈なギズギズっぷりがたまらなかったり、それなりに楽しめる部分はございます。てかモグはガチャゲーじゃなくてソシャゲーでいいじゃんこれ、もう。

 

 それからガールフレンド(仮)は、表紙の絵とゲームの名前からしてもうなんかスープの上1cmくらいにアブラが浮いてる特濃こってりラーメンのかほりがいたしまして敬遠していたのですが、他のゲームでだいたい条件を満たして簡単に入手できる魔法石がなくなってしまったので恐る恐る手を出してみたら「メンズポイント」とか「ガンバル」とか、やっぱり俺とは違う世界だと思わせておいて、ちょうど開催されていたホワイトデーイベントに登場した悪残念男のあんまりな残念っぷりに惚れてしまうという失態を犯しました(超レアが抱えている等身大ボクがシリコン製だったらまだ救いがあったでしょう)。その後、キノコの駄目キャラが気に入ってしまい、何だかんだで最も進捗しているタイトルになってしまいました。

 

 

・82Hブロッサム

 

 最後の方に手を出したのが82Hブロッサムというブラウザゲームで、これも特筆するべき点など何もない有象無象ガチャゲーなんですが、他とは違ってだいぶエロゲっぽく洗練されたロリ絵柄の分際で「私たち中学生」などといけしゃあしゃあとやらかす様がこう、エロゲ的に濁った私のソウルジェムを直撃し、トドメに「ギターかベース習いたい」というセリフを吐く中学生が出てきたので、本命はこれだと。今まで貯めたスタンプはこれに使うぜーと。オマエうち姫はどこ行ったんだよ。

 

 82Hと他のゲームの違いを強いて挙げるとするなら、登場キャラを絞ってとりあえず全員レア度ノーマルのカードを用意する。んで次に全員のグラフィック違いでハイノーマルを用意する。でもって同じ要領でレアを用意する。後は各イベントやら何やらでハイレアやスーパーレアを埋めていく。つまりキャラクターの使い捨てが無いのです。カード毎にキャラクターを充てていくタイプのゲームにおける弱点である、ゲーム最序盤以降はゴミ化する(けどゲーム最序盤でお世話になるのでそれなりに愛着を感じる)ノーマルキャラ、という点はこれにて解決します。それと同時に、キャラを増やしすぎて発生する世界観のとっ散らかりにもストップがかかります。この手法はガルフレがすでに先行しており(ガルフレがオリジナルかどうかは知りませんが)、82Hは(大人の事情的なコトの真相はさておき)徹底してこの手法を使うことで、あくまで個人的には、ですが、他のアメーバ系ガチャゲーよりもまとまった世界観を持たせる事に成功していました。

 

 ご存じの方はご存じだと思いますが、かよう本気を出そうと思って、貯めたスタンプを全部突っ込んで有料ガチャを回しきった直後に82Hサービス終了のお知らせをいただきました。本当に、本当にありがとうございました。それとは別にRe:アクション(だっけ?)というタイトルもあって、これはバンド活動をモチーフとしたタイトルでこっちも少しやってみようと思ってよくよく見たらもうサービス終了が決まっておりました。あのな。

 

 

・アメーバ以外のタイトル

 

 サウザンドメモリーズは「泣けるシナリオ!!!!!!!」と大々的にブチ上げてますが、たぶんメインストーリーが終盤に差しかかっているにも関わらずどこで泣けばいいのかさっぱり不明な薄っぺらいシナリオですし、チェイン・クロニクルのようにたかがガチャゲーと油断させておいてフックのかかったセリフ回しが出てくる訳でもなし、倍率スキルが無いとお話にならないバランスなのでおのずとデッキが画一的になりがちなので、今のところこいつはどうでもいいです。

 

 鍛冶屋とドラゴンは、メンテの度に予定時間の延長があったり、RPG風味なんですがランダム要素がほとんどなかったり、基本素材の薪の消費が激しいくせに生産するにはいちいち木を植えて数分待って高い道具を買って伐採する必要があったりと、贔屓めに見積もっても欠点だらけなんですが、それらを全てブチ壊す異様な雰囲気と申しますか、狂気と申しますか、スカムと申しますか、「欠点だらけなのは分かってるけど、いいの! 俺これはいいと思うの!」と言わせる何かを持っていますので、ダラダラ続けてみようと思います。

 

 外国産で見ると Dead Trigger 2 などに手を出してみました。国産と違って行動ポイントの制限がある訳ではないのでいくらでも遊べて、バーチャルパッドなどの仕組みもよく考えられているので操作性も良好で、何より何も考えずにゾンビを撃ちまくれるなかなか良質なタイトルだと思います。もっともある程度進むと施設や武器のアップグレードに必要なポイントがいきなり高額になり、しかも24時間以上の時間が必要になってきて、使い回しのマップを単調に巡回するのに飽き飽きするというトラップが仕掛けられていましたので現在放置中。

 

 

・で、何が言いたいのよ

 

 書いていてよく分からなくなりました。

 

 もっともこうして文章にして公の場所に公表するというレビュー行為は大なり小なりの判断を公表することに他ならず、つまり書いて公表してしまったが最後、もう後戻りはできないのであります。何かしらの区切りがついてしまうのであります。たぶん区切りをつけたいんでしょう。

 

 82Hブロッサムはサービス終了の宣言がされてログインサービスがサンクスチケットになり、次々に放出されるレアカードを見て何だかたまらない気分にされていますし、ガルフレもまあキノコのイベント限定カードが出たらガンバル方向でいいかと思うようになったし、チェインクロニクルはイベントを追いかけていくとなんかもう次々と育てなければいけないカードが出てきてカードの入手と育成のバランスが破綻してきたのでゆっくり手持ちのカードでメインシナリオと外伝を消化していけばいいと思いましたし、それ以外については「惰性」「スタンプ」「せっかくSSR拾ったんだし」という理由以外に続けている理由はなく、それならウチの鎮守府で不良艦娘共と取った取られた・言った言わなかったで喧々囂々していた方がよっぽどマシと思うのように、ここ数日なってきたのでゴザイマスよ。いやあ、ここ数ヶ月は何だったんだろうね!