ソーシャルゲーム・阿修羅

 ソーシャルゲームを単に「集金装置」としてディスるのは簡単ですし、艦これの運営は確かにイカれてますし、巷でゲームと名のつくコンテンツが有象無象ゴチャゴチャしていれば優先順位の関係からゲーム性皆無として無視するのも仕方ないんですが、実際に片足突っ込んでみると以上のような小難しい理屈の類いはどうでも良くなってくるのであります。

 

 私がフォローしているユーザー層、まあだいたい Twitter でフォローしていて向こうから情報を流して(つぶやいて)くれる人というのはPS3や箱ユーザー・音ゲー地獄変・エロゲ積み・インディーデベロッパーを守備範囲に抱えている業界人、あたりが主なんですが、艦これを例外としてソシャゲーの話題がほとんど聞こえず、自分で探して自分でプレイして自分で情報集めて自分で判断するしかなかったので、まあこの辺りで中間報告的なものでも。

 

 

・はじまり

 

 Hotline Miami というゲームが各方面から絶賛されました。今は日本語版も出てますが、当時は英語版しかございません。一体これの何が面白いのか。暴力ゲームなら嫌になるほど出てるでしょ。Steam のセールを狙って買ってみたんですが最近流行の「レトロ(笑)」風味で一発死の高難易度ゲーに過ぎないというのが第一印象でありました。何が違うんですかこれ。

 

 と思っていたら、Hotline Miami を語る Hotline Tokyo という企画を知りました。早速 Ustream で見たら、やっぱり意味不明なんですが、セラミックロケッツ!という blog がよく引き合いに出されている。さっそく読みに行きました。そうしたら当時最新の記事で「艦これ」というソシャゲについて熱く語っておられる。じゃあ試しに、とアカウントを取得してプレイしてみたのがきっかけです。艦これの第一印象は「うーん‥‥」でした。その後に私がどのような運命を辿るかについては余力があれば書きますし、Twitter を見れば一目瞭然かと思います。

 

 

・ガチャゲ

 

 ただ、この時点では「艦これはどうもソシャゲーとして例外らしい」という印象のまま艦これをプレイするに過ぎませんでした。転機となったのは 4Gamer の年末企画、大勢のゲームクリエイターにアンケートするというやつがカラドリウス公式から流れてきたのを読んだ時で、ここでよく名前に上がっていたのがチェイン・クロニクルです。手元に iPad があったので試しにやってみました。当時私が抱えていたソシャゲのイメージ、すなわち「ガチャを引かせるために金払えと煽りまくる」「行動ポイントを制限してもっと遊びたければ金払えと煽りまくる」「シナリオ重視とか叩き文句に使ってるが結局はありきたりな世界滅ぼし軍 VS 正義のボクら」なんかとほぼ合致する内容でした(今では若干評価が変わってきています)。ただ、艦これでひたすら祈るお仕事を続けるのも疲れてきていたので、戦闘に介入できる本作はそれと勝手が違い、また何の機会かは忘れましたがレアカードを引いたので辞めるのも勿体ないと思い、何となくズルズル続けていくことになります。

 

 と同時に、ゲームバランスもクソもなくレア度の高いキャラほど容赦なく強い仕様にソシャゲーという言葉を使うことにも違和感を覚えるようになりました。そこでガチャゲーという言葉を使うようになりました。確か問題になってましたよね、ガチャゲー。

 

 

・パズドラ

 

 この時点で、ソシャゲの本命であるパズドラはかなり前にプレイ済みだったりしています。でもって惰性で続けていたものの、要するにひたすらカードを合成・進化させて有料ガチャを引いてパズルを回すだけだと感じたので、思い切って削除したのかなり前だったりしています。たいへんスッキリしました。自分のサイトからアクセスカウンタを取り払った時や、アクセス解析を切った時のような開放感を得ました。ただ、いかんせんパズドラは「流行のゲーム」としてプレイしたに過ぎず、「ソシャゲ」としてプレイしていなかったので、比較対象には入らないのでございます。

 

 

・アンインストール

 

 さて、どうこうしている間に Cave がドンパッチンでソシャゲに参入しました。Cave なので一応はプレイせねばなりますまい。やってみたところ、Caveが悪いのかプラットフォームのモバゲーが悪いのか分かりませんが、パズドラの魔法石・チェインの精霊石に該当するゲーム内統一通貨というものが存在しない。要するに、レアガチャを回すにはゲーム内でたった数枚もらえるかもらえないかのプレミアムチケットを使うか、ゲンナマを支払ってガチャを回さなければならない。ゲームバランスそのものは無課金でも最後まで行ける的な情報が Wiki に書いてあったのですが、1ゲーム開始するごとに出てくるフレンドやゲストの中に居るんですよ、最上級レア = SSR 持ってる奴が。当然ながらバランスブレイカー級に強く、ちまちまレアを育てている自分がバカらしくなるわけですね。チェインの場合はゲーム内でそれなりにもらえる精霊石でレアガチャを回したり、あるいは期間限定イベントをそこそここなすと SSR がもらえたりと、課金勢と無課金勢の境界線を曖昧にする努力はされているのですが、当時のドンパッチンはそのような措置がなかったのか、あるいは私の知識不足で「とっくに SSR イベントを突破できるレベルなのに律儀にノーマルクエストばかりやっていた」からなのか、とにかく SSR カードを入手するチャンスはないと判断しました。トドメになったのが怒首領蜂最大往生カードが有料ガチャ限定で登場した時です。もはや Cave は無課金者など眼中にないのか。Cave のファンなら金を払って然るべきと思っているのか。アンインストールしました。ああ、スッキリした。

 

 それと同じ頃、いくつかソシャゲーと言うかガチャゲーと言うか、まあ基本無料の F2P ゲームに手を出しておりました。例えばリッジレーサーを作っているバンナムが出したドリフトスピリッツもやってみました。ギャグでやってるのか、それとも萌えブタ共の文化が外部から見るとギャグに見えるのと同じように走り屋にもこのような世界があって外部から見るとギャグにしか見えないのか、とにかくも頓狂な世界観は新鮮さよりもむしろ私はこの世界にふさわしくない感が強く、たまたま開催していたイベントで SSR カードを拾ったのでしばらく続けたのですが、結局はゲーム内でコインを貯めて、ガチャでカードを引いてコインを消費してパーツを合成して、イベントも中盤から先は有料アイテムの消耗戦になって‥‥という感じだったので、アンインストールしました。ああ、スッキリした。

 

 

・コアゲーム疲れ

 

 iPad というのは PC よりもパーソナルなガジェットで、「この俺の端末」度が高いわけです。スマホみたいに。つまりどんなアプリをインストールしても、プレイしている場面さえ見られなければ周囲にバレる心配はなく、したがってどんなに恥ずかしいアプリをインストールしてもいい訳です。そこで App Store のランキング等から基本無料の萌えゲームは他にどんな感じなのかしらん、と漁りはじめました。

 

 ところで何でそんな行為に走ったのでしょう。たぶんコアゲームに疲れたのです。コアゲームというのは要するに、途切れのない怒濤の展開・緻密な操作・重厚なグラフィックとサウンド、等の、まあ要するに疲れるんですよ。Skyrim を 300 時間ほどプレイして、Cave シューティングコレクションを買って、Bioshock Infinite をクリアして、iPad でも探しているのは「小ぶりだがやりがいのあるゲーム」でした。艦これを「うーん‥‥」と思いながらも続けたのは、この辺の面倒臭さが一切なく、とりあえず画面をポチポチしていればゲームが進むという部分がラクだったからです。

 

 

・アメーバ

 

 で、あれこれ漁っていた時に見つけたのが「ウチの姫さまがいちばんカワイイ」でした。絵もそこそこ綺麗だったので深く考えずにインストールしてみたところ、モバゲーと同じようなプラットフォームだか何だか知りませんがアメーバというサービスの一部らしい。で、どうもアメーバ内のゲームで条件を満たすと魔法石(正しくは違いますがもう使い方とか同じなので魔法石でいいです)をもらえるらしい。

 

 かくして状況はウチ姫のためにアメーバの別ゲームをプレイするという何だかよく分からない事になります。その直後に状況が悪化しました。毎日特定の条件を満たすともらえるスタンプがゲーム内アイテムやアメーバの有料統一通貨「コイン」と交換できる事が発覚。艦これもいいかげん進捗して、1週間分の資源を1回の建設で溶かして大和が出ることを祈るのみという事態になっていましたので、艦これのデイリー任務に充てる時間はアメーバのスタンプ集めというデイリーにすり替わりました。

 

 アメーバで提供しているゲームの大半はスマートフォン上のブラウザで動作するものであり、数タイトルのパズルゲームを除き、もうシステムも何もかも全部同じで違うのはグラフィックのみ、と言い切ってしまってよろしいでしょう。そもそもクエストとされている行動が何かって、行動ボタンを押すだけ。押したら体力が減って経験値が入る。そこまで簡略化しますかという所まで簡略化して、注力するべきなのはカード収集。それから常に何かしらのイベントが開催されていますので、ポイントを稼いでランキング報酬である期間限定レアカードをゲットする。要するにカード収集と、ランキング上位というゲーム内でのみ通じる階級制度の満足感。もう何が何だか。

 

 ではそれが全く楽しくないかと言えばそんな事はなく、例えば戦国サーガで徳川家康と命名されたカードを引いたら Sunn O))) がやらかすカバー曲の方がまだ原型保ってるんじゃねぇのコレと言いたくなるようなイラストが出てきて盛大に吹いたり、モグのルール縛り派とノールール派の熾烈なギズギズっぷりがたまらなかったり、それなりに楽しめる部分はございます。てかモグはガチャゲーじゃなくてソシャゲーでいいじゃんこれ、もう。

 

 それからガールフレンド(仮)は、表紙の絵とゲームの名前からしてもうなんかスープの上1cmくらいにアブラが浮いてる特濃こってりラーメンのかほりがいたしまして敬遠していたのですが、他のゲームでだいたい条件を満たして簡単に入手できる魔法石がなくなってしまったので恐る恐る手を出してみたら「メンズポイント」とか「ガンバル」とか、やっぱり俺とは違う世界だと思わせておいて、ちょうど開催されていたホワイトデーイベントに登場した悪残念男のあんまりな残念っぷりに惚れてしまうという失態を犯しました(超レアが抱えている等身大ボクがシリコン製だったらまだ救いがあったでしょう)。その後、キノコの駄目キャラが気に入ってしまい、何だかんだで最も進捗しているタイトルになってしまいました。

 

 

・82Hブロッサム

 

 最後の方に手を出したのが82Hブロッサムというブラウザゲームで、これも特筆するべき点など何もない有象無象ガチャゲーなんですが、他とは違ってだいぶエロゲっぽく洗練されたロリ絵柄の分際で「私たち中学生」などといけしゃあしゃあとやらかす様がこう、エロゲ的に濁った私のソウルジェムを直撃し、トドメに「ギターかベース習いたい」というセリフを吐く中学生が出てきたので、本命はこれだと。今まで貯めたスタンプはこれに使うぜーと。オマエうち姫はどこ行ったんだよ。

 

 82Hと他のゲームの違いを強いて挙げるとするなら、登場キャラを絞ってとりあえず全員レア度ノーマルのカードを用意する。んで次に全員のグラフィック違いでハイノーマルを用意する。でもって同じ要領でレアを用意する。後は各イベントやら何やらでハイレアやスーパーレアを埋めていく。つまりキャラクターの使い捨てが無いのです。カード毎にキャラクターを充てていくタイプのゲームにおける弱点である、ゲーム最序盤以降はゴミ化する(けどゲーム最序盤でお世話になるのでそれなりに愛着を感じる)ノーマルキャラ、という点はこれにて解決します。それと同時に、キャラを増やしすぎて発生する世界観のとっ散らかりにもストップがかかります。この手法はガルフレがすでに先行しており(ガルフレがオリジナルかどうかは知りませんが)、82Hは(大人の事情的なコトの真相はさておき)徹底してこの手法を使うことで、あくまで個人的には、ですが、他のアメーバ系ガチャゲーよりもまとまった世界観を持たせる事に成功していました。

 

 ご存じの方はご存じだと思いますが、かよう本気を出そうと思って、貯めたスタンプを全部突っ込んで有料ガチャを回しきった直後に82Hサービス終了のお知らせをいただきました。本当に、本当にありがとうございました。それとは別にRe:アクション(だっけ?)というタイトルもあって、これはバンド活動をモチーフとしたタイトルでこっちも少しやってみようと思ってよくよく見たらもうサービス終了が決まっておりました。あのな。

 

 

・アメーバ以外のタイトル

 

 サウザンドメモリーズは「泣けるシナリオ!!!!!!!」と大々的にブチ上げてますが、たぶんメインストーリーが終盤に差しかかっているにも関わらずどこで泣けばいいのかさっぱり不明な薄っぺらいシナリオですし、チェイン・クロニクルのようにたかがガチャゲーと油断させておいてフックのかかったセリフ回しが出てくる訳でもなし、倍率スキルが無いとお話にならないバランスなのでおのずとデッキが画一的になりがちなので、今のところこいつはどうでもいいです。

 

 鍛冶屋とドラゴンは、メンテの度に予定時間の延長があったり、RPG風味なんですがランダム要素がほとんどなかったり、基本素材の薪の消費が激しいくせに生産するにはいちいち木を植えて数分待って高い道具を買って伐採する必要があったりと、贔屓めに見積もっても欠点だらけなんですが、それらを全てブチ壊す異様な雰囲気と申しますか、狂気と申しますか、スカムと申しますか、「欠点だらけなのは分かってるけど、いいの! 俺これはいいと思うの!」と言わせる何かを持っていますので、ダラダラ続けてみようと思います。

 

 外国産で見ると Dead Trigger 2 などに手を出してみました。国産と違って行動ポイントの制限がある訳ではないのでいくらでも遊べて、バーチャルパッドなどの仕組みもよく考えられているので操作性も良好で、何より何も考えずにゾンビを撃ちまくれるなかなか良質なタイトルだと思います。もっともある程度進むと施設や武器のアップグレードに必要なポイントがいきなり高額になり、しかも24時間以上の時間が必要になってきて、使い回しのマップを単調に巡回するのに飽き飽きするというトラップが仕掛けられていましたので現在放置中。

 

 

・で、何が言いたいのよ

 

 書いていてよく分からなくなりました。

 

 もっともこうして文章にして公の場所に公表するというレビュー行為は大なり小なりの判断を公表することに他ならず、つまり書いて公表してしまったが最後、もう後戻りはできないのであります。何かしらの区切りがついてしまうのであります。たぶん区切りをつけたいんでしょう。

 

 82Hブロッサムはサービス終了の宣言がされてログインサービスがサンクスチケットになり、次々に放出されるレアカードを見て何だかたまらない気分にされていますし、ガルフレもまあキノコのイベント限定カードが出たらガンバル方向でいいかと思うようになったし、チェインクロニクルはイベントを追いかけていくとなんかもう次々と育てなければいけないカードが出てきてカードの入手と育成のバランスが破綻してきたのでゆっくり手持ちのカードでメインシナリオと外伝を消化していけばいいと思いましたし、それ以外については「惰性」「スタンプ」「せっかくSSR拾ったんだし」という理由以外に続けている理由はなく、それならウチの鎮守府で不良艦娘共と取った取られた・言った言わなかったで喧々囂々していた方がよっぽどマシと思うのように、ここ数日なってきたのでゴザイマスよ。いやあ、ここ数ヶ月は何だったんだろうね!

 

2013年Anti素晴らしい

順位に差は無いものとする。

 

1.CMIサイトが9月に消失した事もそうですが、それを他人の指摘で気付いたのが12月だったという事実。

→要するに「俺の嫁フンスフンス」と言っていたキャラがいつの間にか原作でキャラ崩壊した挙げ句に死亡したのも知らずに古いイメージを引きずったまま「俺の嫁フンスフンス」と言っているようなもの。報いを受けるべき。

 

2.Portal来日をスルー。

→はるまげ堂の人が「訳が分からない?クトゥルーやってる連中なんだから訳が分からなくて当然でしょうが!」みたいな事を言っていたので行けば良かった。

 

3.上野エクストリームをスルー。

→ライブハウスの動員記録を塗り替えたと新聞にも掲載されたイベントだった。伝説に立ち会えなかったので報いを受けるべき。

 

4.エターとガラダマのダブルヘッドをスルー。

→しかも建前が「ライブ? アンタ艦娘を2日放置しろと言うの? 奴等は俺の命令がないと何も動けんのだよ分かってんの!?」というアレっぷりなので報いを受けるべき。

 

5.秋葉エクストリームをスルー。

→せっかく邪悪的に善いバンドがスタジオライブというレアな事をやっていたのに行かなかった報いは受けて当然自然の成り行きである。

 

6.Jurassic Jade の年末2マンライブもスルー。

→90分の長丁場ステージをパスした以上、ファンとして報いを受ける苦痛は甘んじて受けるべき。

 

7.艦これにハマる。

→かつてのダークアンビエントおじさんも今や艦これおじさん呼ばわり。

 

8.我が家に猫が来る。

自宅警備員の地位すら猫に奪われる始末。

 

 

2013非ワースト

 

1.ノイズプロジェクト再始動。

→まだまとまった音源上げてないからアレですがベースが壊れてから停滞していたデパが新たなアイテムを獲得し貴方を睡眠に誘う。

 

2.艦これにハマる。

→貴方の信仰心が試される。ちなみにこれ、ある程度続けるのに根性は必要ないけど、そのいらのネトゲ以上に愛とか業とか才能とかその辺は必要だから。

 

3.Funeral Mothのライブ

→新譜まーだー? まーだーまーだー? チンチーン。

 

 

で、結局2013年に音源は何を買ったの?

 

・あさき「天庭」

→一時期聞いていたビーマニバックステージのあさき氏を見ていると歌詞に深い意味なんて無いと思ってしまう訳ですが中島みゆきもラジオと歌のギャップが凄かったそうなので歌詞とかも読み込むべきなんでしょうか。リフレクの魚氷Hは96.9です。

 

・MAGMAのDVD

ビブラフォンの人が音ゲーの文脈で言うところのゴリラ。これだけでも見る価値あり。

 

・MAGMAの新譜

→Slag Tanz のスタジオ版まーだー?

 

TBH石巻ライブDVD

TwitterTBHネタかましてるけど、あれはdisじゃなくてリスペクトなんだから! そこんところ誤解しないでよね!!

 

 

で、艦これにいくらぶっ込んだの?

→まだ1万円も使ってねぇよ!! ‥‥たぶん。

艦これアイアンボトムE4メモ

「はいババっちいぼやきの流しも兼ねて不眠不休の11時間を突破した俺提督がドヤ顔とゲス顔でお送りしますE4クリアメモ、デース。相棒は今回の作戦にずっと従事してくれた榛名さんと霧島さん、デース。‥‥あれ? どこ行ったの?」

 

長門「連合艦隊旗艦としては榛名と霧島の出席に反対である。ただし貴様の命が惜しくないならこの限りではない」

 

「セリフだけ聞くとキリッてな感じの長門さんはー、最後の方にちょーっとオーバーワークしただけなのに膝がガクガクしてますよ? 艤装重いの? 降ろしてもいいのよ?」

 

 

・基本は攻略 Wiki 該当ページを参照されたし。

 

・まとめ。

 三式弾を量産し、捨て駆逐戦法でボスまで到達し、決戦支援でゲージを削り、削りきったところで決戦部隊を送り込んで撃破のパターン。使用したリアルマネーは0円である。

 

・三式弾の量産

 印象として三式弾がなければお話にならない。

 三式弾なしのボスへのダメージは40~50。三式弾アリの場合は100を越える。

 レシピは 10>90>90>30:榛名(司令部レベル99)

 当鎮守府は上記のレシピをブン回すことで三式弾を4つ揃えた。なお、「乱数表の関係で出る時は固まって複数出る」みたいな事がWikiのコメントに書かれていたが、実際に固まって出たのでそういう傾向もありそう。

 

・費やした資材および時間

 多く見積もって、燃料25000、弾薬15000、鋼鉄20000、ボーキ5000。

 バケツは150。

 時間は11時間。うち3分の1を削るのに5時間、捨て駆逐戦法に切り替えてから3分の2を削って撃破するまで6時間である。

 出撃回数は約50回ほどと思われる。手元には出撃記録として編成・ルート・消費資源・盾として犠牲となったフネの名前を記載したデータがあるのだが、消費資源の記録は16回目の出撃まで、記録そのものも23回目の出撃までが書かれているのみであり、そこから先は欠落している。脳がトんで記録どころではなくなったらしい。

 

・捨て駆逐戦法

 別名「人は城・人は壁・人は盾」作戦。レベル1駆逐艦を盾として使用しとにかくボスまで高速戦艦をねじ込み、昼戦における決戦支援からの間接攻撃でゲージを削るというもの。当然だがレベル1駆逐艦は容赦なくアイアンボトムサウンドする。実行は良心に任せる。

 

 主力ダメージ源の支援艦隊は以下の構成。平常運転時からの装備変更はなし。

  

 加賀94(流星改流星改・烈風・流星改

 赤城97(彗星一二型甲・彗星一二型甲・烈風・彗星)

 千歳航改二86(烈風・流星改流星改・彩雲)

 千代田航改二61(零式艦戦52型・彗星・彗星・彗星)

 駆逐艦×2

 

 支援艦隊は単騎で1-1を回してピカらせる。受けたダメージは放置、気になるレベルまで蓄積されたらバケツぶっかけ。

 

 ボス到達部隊は以下の構成。

 

 榛名97(46サンチ・41サンチ・三式弾・缶):夜戦2回攻撃装備

 霧島95(46サンチ・41サンチ・三式弾・缶):夜戦2回攻撃装備

 レベル1駆逐(12.7サンチ・12.7サンチ)×2:夜戦2回攻撃装備

 

 高速戦艦2隻は事前に1-1を回すなり演習でS判定取るなりして念入りにピカらせておく。

 

 レベル1駆逐艦に12.7サンチを2つ持たせることで、たまに敵駆逐艦くらいなら沈めてくれることがある。

 

 陣形は「夜戦に有効」という情報が Twitter の TL に流れてきたので梯形陣を用いた。TLによると事故がほぼ無くなるという事だが、印象としてはあくまで確率が下がるだけであり、事故る時は容赦なく事故る。ただしレベル1駆逐艦が重巡からカットインを食らってもダメージ1ケタという現象が多数発生した。他に陣形との比較はやっていないので不明。

 

 撤退条件は高速戦艦の大破である。それ以外は進軍を選択する。中破なら進軍する。駆逐艦が大破しても進軍する。駆逐艦が沈んでも進軍する。

 

 ボス前分岐でボスから逸れる通称「お仕置き」への到達率は、貴方の信仰心と運命力と艦娘への愛の心が乱数表を操作することで決定される。私の場合は50%強の割合でお仕置きされた。当然だがお仕置きされると決戦支援も犠牲となった駆逐艦も無駄になる。対象は何でもよいので祈れ。

 

 ボスへ辿り着いた場合、この戦力ではほぼ確実に昼戦移行条件を満たすので、昼戦へ突入する。ピカった支援艦隊もほぼ確実に現れるので、これが50~100ちょいのダメージを与える。ねじ込んだ高速戦艦はボスを攻撃したら儲けと考える。ただし1回のみ、高速戦艦2隻が揃ってボスに攻撃を行いボスを沈めた。よって支援艦隊なし・捨て駆逐のみでの攻略は、Cave語で言うところの「論理的には可能」である。

 

 帰還したら、補給・入渠より先に生き残った駆逐艦から12.7サンチを剥ぐ。次に近代化のエサなり解体なりして、満身創痍の兵隊を戦力として期待することは軍の沽券に関わるので処分する。補給と入渠は戦艦のみに対して行う。

 

 この戦法だと道中で戦艦が MVP を取り、かなりの頻度で戦意高揚状態が維持される。駆逐艦も1回の出撃ごとに全替えを行うので、疲労を気にせず連続出撃が可能となる。このマップにおける捨て駆逐最大のメリットがこれである。

 

 駆逐艦の補充は、支援艦隊のピカが取れた時の1-1回し、ALL30建造、通常遠征部隊(雀の涙程度にしかならないが、無いよりマシ。主に精神的に)のピカらせ1-1回しなどで補充する。なお、新兵は装備が不十分なので、処分した駆逐艦から剥いだ12.7サンチを支給する。

 

 

・決戦艦隊

 

 十分にゲージを削ったら(ゲージをゼロにする必要はない)決戦艦隊へ移行する。

 

 雪風67(12.7サンチ・53サンチ艦首魚雷・缶):夜戦カットイン装備

 時雨改二66(12.7サンチB・五連装魚雷・ダメコン要員):夜戦カットイン装備

 摩耶78(20.3サンチ3号・20.3サンチ・三式弾・ダメコン要員):夜戦2回攻撃装備

 長門72(46サンチ・41サンチ・三式弾・ダメコン要員):夜戦2回攻撃装備

 榛名97(46サンチ・41サンチ・三式弾・ダメコン要員):夜戦2回攻撃装備

 霧島95(46サンチ・41サンチ・三式弾・ダメコン要員):夜戦2回攻撃装備

 

 雪風&時雨改二は運が高く、カットインが生じやすい。カットインが出れば撃沈確定で、これは電86の2回攻撃よりも(特に序盤が)安定する印象である。どの敵が沈むかに関しては、貴方の愛の心が乱数表を(略) 祈れ。

 

 決戦艦隊を使用する際も支援艦隊を派遣する。ダメージ源は多ければ多い方がよい。

 

 ダメコンはお祈り用で、誰かがピンポイントで大破しても構わず進軍することで余計な消耗を避ける福次効果がある。

 

 

・捨て駆逐などという非道な行為は良心が許さぬ

 

 決戦艦隊で連続出撃させればよろしい。貴方のリアルにおける肉体の耐久力と、信仰心・運命力・艦娘への愛の心がものを言う。序盤は決戦艦隊オンリーで挑んで様子を見るのも手よ?

 

 最初の5時間は私も捨て駆逐など非人道的な戦法を用いることに断固として反対であるという立場でいた。己の無力を嘆く。

 

 

「以上。で、長門はどこ行った?」

 

陸奥「話が長いから帰ったけど。そろそろ締めたら?」

 

「『つくづく戦争は嫌だと思った』。‥‥加賀と赤城も居ないンですが。定時退勤ですか」

 

陸奥「また間宮でくだ巻いてる」

 

「次も夜戦みたいだからネー‥‥」

東海林 智 / 貧困の現場

 先日に読んだ、クローズアップ現代を書籍化した「助けてと言えない30代」と合わせて考えると、どうも派遣の中にも「勝ち組」と「負け組」が存在するような印象を受ける。「負け組」とは本書などで取り上げられている、用が済んだらそれで切られて明日からどうすればいいのか分からない、路上生活一歩手前、あるいはすでに家賃を払えなくなり路上生活を余儀なくされてしまう人間である。本書ではこれら「派遣の中での負け組」の悲惨な現状などを取り上げている。

 一方で勝ち組とは、フルタイムの長期雇用を前提とし、企業のプロジェクトの一翼を担うことを期待されてその職場に派遣されてきた者を言う。当面の生活は安定しているように見える。私の時給は1500円を越えた。勤務時間は前述の通り、週5日、おおよそ9時から17時30分くらいまでのフルタイムである。残業代も出る。外回りの営業交通費も全額支給されたように記憶している。具体的な契約期間は提示されていない。最初の段階では、長期で働いてくれればいつまででもOKというスタンツだった。職場は「お前など所詮は使い捨て」という雰囲気はなかった。正社員からは、たとえ派遣と言えど、私を育てようとする意志が明確に感じられ、事実、実地的な教育を受けることができた(そこで得たものは非常に大きい)。半年・1年スパンで同じ職場・同じ同僚と仕事をすることで、人的コニュミケーションに関して言えば、本書で言及されている「派遣さーん」と呼ばれたことは一度もない。必ずや「○○(私の名前)さん」である。

 

 本書に登場している、勤務時間が過労死ラインを軽々と越え、しかもそれがサービス残業であり、超過勤務で鬱病となり心身ともにボロボロになり正常な社会生活を営むことが困難になり、家を持つこともできなくなった人間から比べれば、私はまだ恵まれた環境であるように思う。しかしこの「勝ち組」の中から転落している者も居る。

 

 私が派遣会社から求められたのは、スパイ活動である。派遣先の動きを逐一派遣会社へ密告することが良いこととされ、それを行うことで褒められ、評価された。雇用形態は企業から派遣会社への委託、そして派遣会社から私へは個人委託という事になった。当然、各種の社会保障への加入など、その存在を知らされたことなど一度もない。そもそも制度としてそんなものがあるとは知らされてすらいなかった。私がそうした社会保障の対象になるか、などという情報など皆無であった。知らないものにアプローチする事などできる訳がない。これを情弱と切って捨てることは簡単であり、事実その通りである。派遣で働いている人は、私の経験則上のアドバイスとして、社会保険などに関する制度や法律についての知識をつけておくことをお勧めする。

 さらに複雑方程式が追い打ちをかける。私は派遣先企業の一員として、私が所属している派遣会社に仕事を依頼するポジションに置かれた。依頼を受けるのは私に指示を与え、私に給料を支払う、私が所属する派遣会社である。私は派遣先では彼らのお客様として振る舞うことが求められた。が、一歩外に出るとその関係は逆転する。派遣会社の事務所で、私は「こういう動きを求めている」と要求される。派遣先の企業のために動こうとすれば、派遣会社の思惑に反する。逆も然り。この二律背反なジレンマは精神的な負担となってのしかかってきたが、それでも当面はうまく行けた。

 

 上記の職場へ行くまえ、5年ほど別の職場で働いていた。ところが私の働く部署が利益を上げていたため、職場としてのノルマを上方修正されたあたりから崩壊が始まった。ノルマが設定され、「あそこに任せておけば、我々が要求したこと以上の仕事を自主的にやってくれる」(※)すなわち作業クオリティによってつなぎ止めていた信頼は、「言われた事をやってりゃいい、それでもぎ取れるだけもぎ取る」という方向へ転換したことで一瞬で崩れた。古参の人間は危機感を抱き、それではいけないと主張したが、所詮は派遣の言うことである。上の方針転換には何ら影響力を持たなかった。クライアントはそれを敏感に察して、我々に依頼する仕事の内容を変化させた。現場で働いていた私はちょうどリーダー格にまで登っていたが、これが良くなかった。職場の上長(正社員)と、私のチームの人間(部下と言うニュアンスはこの場合ガチガチすぎるように思う。私のポジションは、あくまで正社員と仲間の派遣の橋渡し役に過ぎない)の間で板挟みとなった。知らない間に心労がたまったらしく、どうも睡眠障害の兆候が見えた。睡眠薬でも出してくれるだろうと診療内科へ行ったら鬱病と診断された。

 

※この当時の職場の雰囲気は和気藹々としていた。派遣と言えども正社員は自分と同格に扱っていた。最終的な決定権は正社員が持っていたが、派遣に自由にやらせ、「好きにやれ、責任は自分が取る」という方針だった。遅刻した場合、理由の如何に関わらず事前に連絡を入れればタイムカードを定時に押した。理由は、走ってきて体力の回復に30分費やすよりも、歩いて10分遅れた方が効率がいい、という考えによる。就業中にうたた寝していても許された。なぜなら、うたた寝することによる効率の低下よりも、眠い中で作業してミスするリスクを恐れたからだ。そのかわり、ロスした分は何らかの形でカバーすることが望ましいとされた。強制ではない。これにより残業となった場合はもちろん残業代がつく。就業時間中にサボった分、定時にタイムカードを押してから残業する人も多かった。残業中にタイムカードを押してもう数十分というケースも多く見られた。30人規模の職場で、派遣も含めた従業員全員がその意図を理解していたからこそ成り立っていた方針であろう。

 

 古参は、辞めるか、現状を受け入れて割り切って自分のやり方を変えるかの二択を迫られた。多くの古参は「君には問題がある」と言われて切られたか、自ら出ていくように仕向けられた。一部はうまく立ち回り、今でもその職場で働いているらしい。私の場合は体調の悪化も含め、新しくやってきたコストカッターに「君のやり方には問題がある」と目をつけられた事を機会に逃亡に近い形で三行半を突き付けて即日で勤務をストップした。フルタイムと言えど雇用形態は日雇い同然なので、それに対するトラブルは発生しなかった。

 

 その当に時知り合った人のつてで別の派遣会社に登録し、体調の悪化もあったが、とにもかくにも働かなければ食っていけない、家賃も払えない。新しい派遣会社へは私の前の職場での職務内容を携えて行った。まずは1週間ほどの短期の派遣で慣らしてみてはどうか、という配慮から、1週間ほどの短期の仕事を請け負った。ここで、本書に書かれている派遣同士のコミュニケーションが欠落するという状況を体験した。確かにその通りなのである。仕事を教える・教えない、というほど凄まじい状況ではなかったが、複数の派遣会社による合同プロジェクト、しかもメンバーは毎日異なる。交流を深める余地などないのである。

 

 続いて派遣されたのが最初に書いた職場である。これも当初は問題なかった。が、本書に出てきたコンプライアンスという言葉がここで出てくる。社の方針として外部の人間を入れてはならぬ、というものらしい。業務は子会社に委託された。この委託にあたって、親会社・子会社・派遣会社それぞれの解釈の違いにより、三つ巴の内ゲバが繰り広げられた。その中間地点にあったのが私である。体調は一気に悪化し、仕事は休みがちになった。遅刻の連絡、欠勤の連絡を勤務先に入れると「了解しました、お大事に」という理解ありそうな返答が来るが、後日、派遣会社の方へは掌を返したようなクレームを入れていることが判明した。勤務先の上長と相談し、しばらくは自宅療養という形にしてもらった。ところが自宅でも電話対応などの業務依頼の電話がガンガンかかってくる。もはやこれでは場所が変わっただけで仕事をしているものと変わりがない。私に給料を支払っている派遣会社の担当営業に、「これでは休養にならない。実際に仕事をしているので、その時間を記録してタイムカードをつけていいか」と電話で相談したところ、「給料は支払えない」と突っぱねられた。これを境に、この仕事に対する一切の業務連絡・業務依頼を断った。

 

 仕事がなければ食っていけないどころか、家賃も払えない。最初の数ヶ月は実家からの仕送りで何とか過ごしたが、年金暮らしの実家には私の生活費全額を捻出するだけの余力はない。一度実家に身を寄せることにした。引っ越しの準備をしたくても、もう何が何だか分からない。グズグズしている間に引っ越しの日時だけは迫ってくる。辛うじて目に付くものを全てダンボールに放り込み、引っ越し前日の夜、マンションの資材ゴミの捨て場に空き瓶を捨てていたところ、どこからか「やかましい!!」と罵声が飛んできた。これで完全に参ってしまった。翌日に引っ越し業者が来た時、部屋は散らかったままだった。朝のうちに両親に応援を頼み、引っ越し業者が積みきれなかった荷物を車に押し込み、逃げるように都内から房総半島へ都落ち。以後、ここでブラブラしている。

 

 働くことを諦めた訳ではない。アルバイトの面接を受けたが落とされた。近所の動物保護NPOへボランティアとして参加したこともある。詳細は省くが、動物保護NPOと慈善団体のように見えるけれど、内情は凄惨たるものである。回復しかけた体調は再び悪化し、リタイヤを余儀なくされた。

 

 その少し前、猛烈な自死衝動に襲われた。とりあえず死のうと思い、楽に・確実に死ねる方法を探し、必要な道具を買いそろえた。今でも部屋の隅に道具がある。死のうと思えばいつでも死ねるし、なぜ今に至るまで生きているのかさっぱり分からないが、何かに没頭して気を紛らわすことで「とりあえず今日は生き延びた」「今日も生き延びた」という状況である。本書の派遣社員の言葉にある、他人を殺すか自分が死ぬかしかない、というような言葉はいよいよもって私を追い詰めにかかっている。なるほど、ならば他人を殺すよりも自分が死んだ法が宜しい。死ぬか、という具合である。

 

 家族は私がなかなか社会復帰へ向けて動こうとしない事に苛立ってきている。当然である。年金暮らしの高齢夫婦なのだから、それがいつまでも続くことはあり得ない。おまけに私が転がり込んできたことで会計は圧迫されている。ひとまず減薬になるまでは、という雰囲気になっているが、やはり減薬はまだか、減薬はまだか、という無言のプレッシャーがかかっている。主治医は何を考えているのか、減薬のゲの字も出さない。転院しようにも、房総半島で私の家から行ける距離に精神科がいくつあると言うのか。

 

 本書の問題提議は有意義と感じる。問題は問題と認識されて始めて問題となる、というのは児童虐待の本を書いた斎藤学の言葉であり、なるほど確かにと思った。しかしここに取り上げられているのは誰でも「ひどい」と思えるような事柄に限る。ここに文章で食っている人間の限界を感じる。もちろん著者が怒りを感じて本書を執筆したことは伝わった。これは世に出すべき本であるとも思っている。しかし、そのどこかにワイドショー的感覚を感じる。世の中にはこのように悲惨な人々がいる、どうよ凄いだろ、悲惨だろ、てな具合である。してがった、そのような人から順に助けていくべきである。当然だろ。オマエは後ね、こっちは生きるか死ぬかの人で忙しいし。人もカネも不足してるし。後回し。とりあえず家の中で暮らしてけるんでしょ? じゃあ自分で頑張りな。行間からそのように見えて取れる。これは自意識過剰な妄想か。人は妄想で死ぬ生き物である。本書で取り上げられている労組に連絡しようとは思わない。「一応実家で暮らしていけてるんでしょ? じゃそこで頑張れば?」と言われてしまいそうな雰囲気を行間から感じるからである。それを言われたらいよいよオシマイとなる。

 

 最底辺のケースのみを取り上げたのが本書の功罪における罪の部分だろう。私は最底辺でない事を知っているが、単に「最」底辺でないだけに過ぎない。仕事はするべきだと思っているが、精神疾患の爆弾を抱えたまま見切り発車して何度も失敗しているので次の一歩を踏み出せない。病状は平行線で全く先が見えない。そしてこの本は私の立ち位置について無関心であると感じる。こういう文章をウダウダ書かせている程度には、本書は私を追い詰めてしまった。

 

 さて、これからどうしよう。

渡辺 清 / 戦艦武蔵の最期

 これを書いている現在、本書は絶版で、古本か図書館に頼らざるを得ない状況にある。証言のひとつとしての価値を考えると、本書を絶版のままにしておくのはどうにも惜しいように思う。幸いにも古本で比較的安価に入手できたので、新書サイズ300ページ弱の本のキモの部分と思われる所を引用しておこうと思う。

 

 おれは志願して軍艦に乗るまで、戦争のなんであるかについてはまるで知らなかった。あまりにも知らなさ過ぎた。また進んで知ろうとも思わなかった。それまでのおれの戦争の知識といえば、せいぜい雑誌の口絵か写真、それにもっともらしい戦場美談ぐらいなものだった。そこにはおどろの死の恐怖も、苦しみも、血の臭いもなかった。なにもかも童話の世界のように美しく華やかで、死ですらそこでは妙に明るかった。そしておれはそれを早とちりに戦争そのものだと思いこんでいたのである。それにまわりの大人たちや学校の先生でさえ、戦争の真実については、何も教えてくれなかった。教えてくれたことはただ一つ、「国のために死ね」‥‥だが、そのさかしらな幻影も教訓も、最初の砲弾の一発でみじんに砕けてしまった。大人たちや、ものを教えることを職業とする先生が教えてくれなかったことを、一発の砲弾が教えてくれたのである。そしてその時になって、あのもっともらしい戦場美談も、極彩色の雑誌の口絵も、すべては虚構にみちたおぞましい砂の城だったとわかったのである。

 (中略)おれは今日、たくさんの人間が苦しみ、たくさんの人間の血が流れ、たくさんの人間が死んでいくのを見た。そしてその死は、おれが娑婆で考えていたような「勇ましい」ものでもなかった。「立派なもの」でもなかった。「美しいもの」でもなかった。その死は一様に醜く無残だった。そしておれはそれをこの眼で見たのだ。

 

――朝日選書197 渡辺清 / 戦艦武蔵の最期 頁204-205 リンクは引用者が独断で張った。

 

 具体的にどう「一様に醜く無残」であるかは本書に嫌というほど具体的に書いてある。相当にキツい内容である。私がキツいと言うんだからそれはもうキツい。私が周囲の連中と話していて、連中に欠落していると思っている視点がこれである。連中は自分が総司令官的なポジションに座って後方にあって全体の指揮を執る立場に立てるとでも思っているのか、こうした一兵士が実際どういう目に遭ったに関する話題が全く出てこない。この視点を外してあらゆる戦争ゲームを語ることは、そのまま最前線の兵士の視点を欠如し、まあ戦争はこういうもんだから、という遊戯版の上での遊びのような感覚のまま部隊をあっちへ進めてこっちへ進めてボタン一つでハイ攻撃、である。そのゲーム自体に罪はない。ゲームはそもそもエンターテイメントである。エンターテイメントである以上はエグい部分を直球で描いては娯楽でなくなってしまう(一部の例外もあるようだが)。我々が戦争ゲームを楽しむ以上、その絵空事の娯楽であるが故にカットされた要素を察知して補完するのは我々ユーザーの役目である。

 

 仮にプレイヤー各自がすでにこうした考えを確立しているにもかかわらず、コミュ力のためにあえてそれを封印しているような漠然として空気が出来上がっているのであれば、状況はかなりマズい。そういう事を口にするのが憚られる空気が出来上がっていることになる。15年戦争の末期では35歳の男も何かと理由をつけて赤紙で引っ張られて最前線に配備され、南方に配備されてマラリアで落伍したところを捕虜となった。当時の日本が不足する兵士をうまい具合にペテンに引っかけて35歳の中年に差しかかった男と兵士として徴用した経緯については、大岡昇平の「出征」という短篇に書かれている。大岡昇平は「俘虜記」「レイテ戦記」で有名だが、まずはこの「出征」という短篇から入るのがいいと思う。これは図書館の現代文学全集あたりで見つけることができると思う。

 

 同じ武蔵でも、配備された場所により戦闘の印象はだいぶ変わったようだ。本書の主人公は最も航空機からの攻撃に曝されやすい機銃に配備されている。戦争の様相はだいぶ様変わりしていると思うが、どこにも貧乏くじを引く者はいるものだ。で、貧乏くじを引くのはたぶん戦争ゲームにハマっている我々で、貴方も若ければ若いほどリスクが高くなる。

 

 「戦争には行きません」と勇ましいツイートも散見するが(別にこれをつぶやいた人間を dis ってる訳ではなく、まあたまたま目についただけに過ぎないんですが)、じゃあどうやって戦争へ行かないのか、具体的に予想される事態とそれに対する対処を周到に考えておく必要がある。おそらく現実はそんな机上の前準備など木っ端微塵に粉砕して「問答無用」で襲いかかってくると思うがね。

 

 ところで今はもう戦後ではないようだ。じゃあ何かと言うと、今は戦前だそうだ。おっかねぇ。数年前に岩波から五味川純平の「人間の條件」が刊行されたので(上)(中)(下)、今のところはまだマシと言える。事態が悪い方向へ進めば、おそらくこの手の反戦・反軍の文章は機を見て絶版扱いとなり、古本屋からもいつの間にか姿を消すことが予想される。先の戦争で酷い目に遭いつつ生き延びた老人は、これからの日本は再度戦争に首までどっぷり浸かることになることを予言している。資料は今のうちに集めておいた方がよさそうである。

Spec Ops : The Line ( PC )

Rating:7.8 / 10

 

 マルチプレイはイラネ、システム面は凡作、ただしシナリオが秀逸。という触れ込みであり、そのシナリオも「軍隊ばんざーい」のマッチョイズムへ真っ向から対決している‥‥と解釈している。そもそもミリタリー系のFPSやTPS全然やらないから比較しようがないので、この辺は他のミリタリー系ゲームプレイヤーの皆様へお任せである。

 

 プレイ時間は、Easy で無双プレイして、最後の方で死にまくって7時間弱だった。明確に提示されない選択を試してみたいと思うなら2周・3周もできる。マルチランゲージで日本語字幕にも対応しているPC版が投げ売りされていることが多く、Steam でセール時に10ドルくらいから、Amazon だとダウンロード販売で1400円くらい。フルプライスだとボリューム不足と感じるかもかも知れないが、プレイ時間の短さが中だるみの無さに繋がっている。最近ゲームに対する集中力が落ちてきていると嘆いている私も一気に最後までプレイできたので、値段の下がっている今なら買い時である。グラボは Radeon HD 6670、設定はウィンドウモードで 1024 x 720、テクスチャーのディティールを上げ気味にして影描画を下げると、特にストレスを感じない fps を確保できた。

 

 

 以下は若干のネタバレを含むので、未プレイで興味のある人は全力で回避を奨励。ネタバレなしの海外レビュー和訳なども参照のこと。

 

 

 さてそのシナリオ部分はどうか。各エピソードは情け無用である。「軍だと。任務だと。軍とはこれだ。任務とは、こういう事だ!」の死体オンパレード。私がマネジメント業務に片足を突っ込んだ時に「最悪の事態を回避するために最も望ましい手段を捨てて最善の策を取る」をひとつの指標にしてみた事がある。その「最善の策」を取ったところ悪い方へ悪い方へどんどん転がっていく負のスパイラルのドツボっぷりがたっぷり堪能できる。本作はそもそも「最も望ましい」手段すら分からない一寸先は闇の有様である。ところが全体のあらすじを簡単に説明しようとすると、説明不足が目立ち意味不明となってしまう。日本語のシナリオ考察で充実しているのがPCゲーム道場ネタバレ考察ページで、ここを読む限り大人の事情で説明不足になってしまったようだ。私はシナリオ上重要などんでん返しに気付かず「既視感ですね」で片付けてしまったぞ。

 

 もう一点の疑問は、シナリオで派手にカウンターを食らわせた割には結局これも大勢の敵兵をドンパチ倒して進んで行くミリタリーシューターのスタイルを踏襲してね? という所。この辺は軍事方面に詳しくないので断定はできないのだが、例え精鋭だとしても、3人のチームが続々と現れる敵数十人相手の戦闘を連続で続けられるもんなのか? ましてや潜入ミッションなので現地での補給はどうなる。ただし私がプレイしたのは難易度 Easy であり、Normal 以上だと死にまくるとのこと。このシナリオだと死ぬのもアリな訳で、「ゲームオーバー = 無かった事にしてロールバック、ではなく単にふりだしに戻る」という解釈も可能である。始点が遅いという問題が発生するけど。

 

 一方で注目したいのは、その場その場の選択肢の提示の方法である。象徴的なのが以下のようなシーン。砂漠において水は貴重であり、水泥棒は重罪である。一方にその水泥棒を吊す。もう片方には、水泥棒を罰するために無用な殺しを行った軍律違反の兵士を吊す。両者は遠方からスナイパー数名が狙いをつけている。でもって「どちらを罰する(殺す)か選べ」と選択を迫られる。通常なら選択肢を画面に出して行動を選ばせるはずだが、このゲームは違う。通常のゲーム操作に戻してプレイヤーに全部任せてしまうのである。そしてこういうシーンの大半は数秒で決断をしなければならない。なぜなら事態は常に進行しているので、決断をしなければ「傍観」「何もしない」という決断を下したと見なされるからである。

 

 上記の場合で取れる行動は何か。「水泥棒を殺す」「軍律違反の兵士を殺す」は鉄板。「吊しているロープを撃って両者を逃がそうとする」も可能らしい。「いっそのことスナイパーに発砲」なんかもできる。どうぞご自由に。なお、こうしたシーンにおいては部下が都合よくその場に必要と思われる武器を持っているので、プレイヤースキルはほぼ不要である(ここに気付くかどうかも「選択」に含まれるそうで。初回プレイでは気付かずに、人質が死にました)。うまいこと考えましたね。ここに本作が意識したという Bioshock が掲げる「選択」に対する回答が明確に提示されている。シナリオ運びによってはこういう事もできるンですよ、選択肢を画面に明示しなくてもいいンですよ。ただし、Bioshock と本作では選択の質が異なるので、単純に同じ土俵に上げるのは見当違いだろう。価値観の違いを選択させる Bioshock に対して、本作は「どう足掻いてもドツボ」という線が入っている。このゲームの特色は、一見して自由な選択肢を与えておいて、自由度の高さによってとっちらかるはずのストーリーを、ストーリーそのものの方向性の狙いを定めることで見事に一本道に誘導して見せた所にある。

 

 

(3行目のプレイ時間のくだりへお戻り下さい)

Aircrafts 1945 HD ( iPad )

反復作業とは言え仮にもゲームであるし、シューティングゲームでもあるのだから、途中で寝る事は相当なレアケースである。

 

スクリーンショットを見るとそこそこ画面は綺麗っぽく見えていて、実際に画面を静止画として捉えた場合は確かに綺麗なんですが、まずもって空中敵が初代 1942 ばりに縦列編隊でしか登場せず、地上敵はまあそこそこだとしても、自機から発射される弾が自機ちょい前方から出現するために重ね撃ちなど論外で、ひたすら単調な攻撃をかわしつつ進んで行く訳ですが、自機のショットが弱い1面がある意味最もキツいかも知れなかったり、こう、つまり、要するに途中で寝る面白さ。

 

こいつに350円払うなら、Phoenix HD のゲーム内アドオンを450円で買って全機種使えるようにしよう。

 

効果音は景気よくボカンボカンとやってくれるので、そこに2点差し上げる。

 

Rating : 2 / 10